蠱猫〜人工憑霊蠱猫01 作:化野燐 イラスト:toi8 講談社(講談社ノベルズ) 2005.3 超個人的評価:★★-☆☆☆ 巨大な学園都市にある学校の図書館司書をしている小夜子。 資料の整理をしていた彼女は妖怪を具現化する力を持つ禁書『本草霊恠図譜』をみつける。 それを機に彼女の平穏だった学園での生活は壊れた。 おそいくる「有鬼派」の者たち。 学園全体で胎動を始める陰謀の匂い。 そして小夜子たちの戦いが始まる。 これ、一体どこの読者をターゲットにしてるのかな?と思いました。 物語冒頭の小夜子が書庫を整理しているシーン。 いろいろマニアック(オカルト医学心理学エトセトラ)な文献のことがそれぞれにタイトルを上げて事細かに書かれています。 一般的な人(笑)よりそういう方面に興味がある私でも思わずげっそりしてしまうくらいの分量。 ぶっちゃけこのシーンなくてもお話は進むような……作者がそういうの好きなのはとってもよくわかりますが…… 小夜子さんもクールというかなんというか、私に共感できる感じの女性ではない。まあ、かっこいいんですけどね。 しかも戦う時は猫耳です。そこがねらいか?! 物語の後半は語り手が変わって、人類学部の大学生白石が主役。 彼の同級生と同じゼミの後輩たちが出てきます。 この作者、美形好きというかなんというか。基本的に味方は全員きらきらしていて、敵方のキャラはことごとく醜悪な描写になってます。なんかその敵の描写がちょっとキツくて、間違っても美形ではない私はちょっと反感を感じてしまいました。そこまで言わんでも。 この大学生たちが「鬼はいるか?」という論争を繰り広げます。 やっぱりマニアックな文献の名前なんかが出てきます。 こんな大学生……いたらやだなあ(遠い目) そういうところにリアリティを求めてはいけないのかもしれません。 そういうお話じゃないのかも。 でも私には少し抵抗がありました。
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