ちーちゃんは悠久の向こう

作:紅玉いづき
イラスト:磯野宏夫
メディアワークス(電撃文庫)
2007.2
超個人的評価:★★★★★

魔物たちの住む森にひとり訪れた元奴隷の少女。
額には番号の焼き印。両手両足には鎖をぶら下げたままの彼女は、夜の森で美しい魔物の王と出会う。
彼女、ミミズクは夜の王に食べられることを望むが……
傷ついた夜の王と虐げられてきた少女の出会いと再生の物語。

ひさしぶりのクリーンヒットでした。
大好きだ!!買ってよかった。
って、あんまり言うとなんかうさんくさい気がするのでここら辺でやめておきます。
人間嫌いの夜の王と、奴隷として生きてきた少女の遠回しな心の交流が切ないです。
二人とも傷ついてきているんだけどね。
でも、根底にあるやさしさはなくしていないというか。
二人だけじゃなくて、物語全体がやさしいです。
やっぱりお話はこうでなくっちゃという私の個人的ツボをキレイに押さえている感じ。

電撃小説大賞受賞作の本作。
帯や解説には審査員の先生の言葉が踊っていたりします。
でもやっぱり「泣きました」って書かれるのには抵抗があります。
確かにすごくいい話だからうるうるっとは来るけれども。電車の中じゃなかったら私も泣いていたかもしれないけれども。
それを表面に押し出されるのはなーんか嫌なんですよね。
安っぽくなるというかなんというか。
私はつい敬遠してしまう。
うっかり二度ほど本屋で前を通過してしまいました。そしてその後、給料日の後に購入(笑)

うん。でもすごく読みがいのある話だから一度読んでみてください!!
激しくオススメします。

イラストが漫画絵じゃないのも世界観にあっていていいと思いました。
なんか上質な児童文学に近いのかも?
(ちなみに本文にはイラストありません)

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