女王国の城 作:有栖川有栖 東京創元社 2007.9 超個人的評価:★★★★+☆ マリアの事件が解決してから早数ヶ月。 今度は部長の江神さんが大学に姿を見せなくなった? 数々の痕跡から部長の行き先はどうやら神倉らしいとわかった。 そこは最近急成長中の新興宗教<人類教会>の総本山がある街。 部長の身を案じたEMCの一行はレンタカーを借りて神倉へとむかうのだが…… そこで待ち受けているのは奇妙な女王の治める城と、不可思議な連続殺人事件だった。 待ちに待った江神シリーズの第4作。 分厚いです。幸せです。 冒頭で割と地元の地名が出てきて、それだけでときめいてしまいました。 ノブナガさんの実家にほど近いあたりに住んでいるワタクシ。 この長さにもかかわらず途中で退屈を感じる場面がいっさいありませんでした。すげえ。 本格推理小説としての楽しさはもちろんのこと、キャラクターたちがほんと生き生きしていて、途中のどうでもいい(本筋に関係ない)会話とかエピソードがやたらに楽しい。 ところで、舞台と成っている時代は現代じゃなかったのね。 シリーズがはじまったころから時間が流れていないから当たり前といえば当たり前なのかもしれないけど。 今更気づきました。バブル期が終わる直前くらいかな。 今回の舞台は宗教都市と、その奧にそびえる城。 この宗教、信仰の対象はなんと宇宙人の”ペリパリ様” 人々はかつて洞窟の奧に降臨したという宇宙人を神として再びこの地球に降り立つ日を待ちわびているのです。 このうさんくささがたまりません。 だから城っていっても近代的(むしろ未来的?)な建物。宇宙船のような形をしているのです。 にも関わらずこの団体、事件が進む事にその全貌をあらわしていきます。 アリスたちを軟禁したり殺人事件を隠匿しようとしたり……結構怖いです。そのバランスがまた絶妙でした。 しかしあいかわらず江神さんは格好いいよね。 私は基本的に火村派(ヒムラー)なんですが…… やばい乗り換えそうだ。 前作に引き続きアリスとマリアのカップル?の初々しさがたまりません。 なにコイツら!!しかも今回もあんまり進展しません。 それがまたよし。 だけどちょーっとずつ近づいている感じがもう本当に応援したくなる。 いつの間にやらモチさんやらノブナガより年長になっているワタクシですが…… この続きを何年でも待ちますから!! でもできるだけ早く出てくれると嬉しいかも(どっちやねん) お願いします。有栖川さん。
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