きんぴか 作:浅田次郎 光文社 1996.2 超個人的評価:★★★★-☆ なんか久しぶりにエンターテイメントだ!!という本を読んだ気がします。 元ヤクザの鉄砲玉で刑期明けのピスケン。 汚職の罪を着せられてすべてを失った元議員秘書の広瀬。 時代が変わっても軍国主義を地でいき、堕落した軍隊に嫌気がさして飛び出した漢(笑)軍曹。 定年で警察を引退した元敏腕の向井の号令のもと、彼らの世直し!?が始まる。 バブルに飲まれうち捨てられた豪華ホテルを根城にして、あれやこれやと大暴れ。 恋に友情に家族愛。奇妙な三人組の活劇をごらんあれ。 この三人組の関係が妙に好きです。 それぞれ全然違う世界に生きてきたのに、いつのまにやら意気投合。 共通点といえば世間からはじきとばされたことくらいなのに。 みんないい年のおっさん(笑)くせに、彼らのノリは中学生の仲良し三人組みたいに見えてしまいます。 なんかそれが妙に微笑ましくて。 このハードカバー版は以前に発売されたノベルズ三冊を合本したものだそうです。 書かれたのがちょっと前だから、こう、世間がバブリーな感じでそこらへんも見所だと思います。 広瀬が使うコンピューター(正確にはフレーム)の万能感なんてたまりません。 この三人以外にもハッカーの親子ANGELとDEVIL、血まみれの看護婦マリアなど魅力的なキャラクターもいっぱいです。 ただラストが意外にあっけなかったのが気になったので★★★★-☆。 せっかく楽しかったんだから最後まで大団円な感じにしてもよかったんんじゃないかな。 急に現実に引き戻されたようでちょと寂しくなりました。 それがねらいかもしれないけれど。 だったらやられた!という感じですね。 おすすめの一冊かも。 ものすごく余談ですが、最近まで浅田次郎と赤川次郎を混同していた自分がいます。 なんか似てませんか?名前の響きが…… 普段あんまり読まないからな。 ファンのみなさんごめんなさい(ととりあえず謝ってみる)
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