龍族〜創世の契約1 作:花田一三六 イラスト:金田榮路 中央公論社(C☆NOVELSファンタジア) 2007.5 超個人的評価:★★★☆☆ 人と異種族のものが暮らす世界。 至高(かみ)ははじめに龍族を創り給へり。 次にその翼を鳥族へ。その牙を犬族へ。その爪は猫族へ。 人族に与ふるものなし。 他の種族と比べて一段下に置かれる存在である人族。 大陸の片隅でひっそりと暮らす彼らの境界の街に、最も至高に近い種族である龍族が現れた。 80年ぶりだというこのできごとは、すべての始まりに過ぎなかった。 物語は一章ごとに違った登場人物の視点で語られます。 入国管理官のヒルファー。 酒場の店主、ワッツ。 女性ながら銀行員のマチルダ。 若手新聞記者のベルネ。 4話までは連作短編風味なのに、5話からいきなり話が動いてびっくりしました。 ちょっと変わった世界設定だったから、もうちょっと連作っぽい感じを続けて欲しかったかもしれません。 外堀から埋めていくというかなんというか。 3話の唯一女性主人公のマチルダさんですが、この人がまた私的にとても感情移入しにくい方でした。 自由気ままな母親を反面教師にして変化を憎む才女。 わからないことはないけどちょっとヤな女だなーとか思いつつ読んでいました。 ところで犬耳執事は萌えキャラなのか……? マチルダさんの執事のジャック。犬族との混血のせいで犬耳です。物静かな青年。 わりと好きかも知れません。いえ、犬耳萌えではなく。 全体的にまだ語られていないことが多すぎて??という感じを拭いきれません。 物語は動き出したばかり……にしても、何が起こっているのかよくわからなくてもどかしい気分になります。
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