ガリバー旅行記

作:原民喜
講談社(講談社文芸文庫)
1995.6
超個人的評価:★★+☆☆☆

なんかおもしろい本ないですか?と先輩に聞いたところ勧められたガリバー旅行記。
とりあえず文庫で読みやすそうなものを、と思って借りてきたのがコレ。
もともとはアイルランドのスウィフトという人の作品で、それを翻訳・童話化したものらしいです。
ラストの終わり方も原作とはちょっと違うんだそうな。そのうち原作もちゃんと読んでみようかな。

さてさて内容は。
冒険にあこがれるガリバーは妻子をイギリスに残して旅にでる。
嵐に遭いたどり着いたのは小人国(リリパット)
不審な巨人として小人たちにぐるぐる巻きにされてしまったガリバーの身の行方は……

その他不思議な世界、大人国(ブロブディンナグ)・飛島国(ラピュタ)・馬の国(フウイヌム)を旅することになるガリバーの不思議な旅の様子をつづった物語。

ガリバーさんは相当の冒険野郎なようです。
ってそんな描写はどこにも出てこないんですが。本国に妻子を残したまま不思議を求め何度出航することか。
しかもそれぞれの国にたどり着くために、嵐に遭うこと一回、無人島(だと思われた島)に置き去りにされること一回、海賊に襲われて漂流すること二回……いいかげん懲りろ!!ってツッコミたくなります(笑)
しかも毎度毎度結構酷い目にあってるのにね。
小人の国のぐるぐる巻きに始まり大人国では巨人に飼われ、飛島国では不気味なものにかこまれ、馬の国では人間より賢い馬にやっぱり飼われてる。この人、なんだかんだ権力者に気に入られるの得意みたいなんですよね。

原作も童話っていうより風刺小説色が強いらしいし、これはきっと物語の表面よりもそれぞれの登場キャラクターに投影されてるテーマみたいなものを読むほうが楽しいんだろうと思います。
たとえば馬の国には賢い馬だけではなく、見にくく意地汚いが人間によく似た生き物ヤーフが出てくる。国の一部からとれるキラキラした石を取り合って殺し合ったり、人をうらやんでやっぱり殺し合ったり、無駄に縄張り意識が強かったり。
馬たちに家畜としてみられているヤーフを見ているうちに、ガリバーは人間が嫌になってしまう。

深いなあ……

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