アコギなのかリッパなのか 作:畠中恵 実業之日本社 2006.1 超個人的評価:★★+☆☆☆ 腹違いの弟をやしなうため、元大物国会議員、大堂のもとで事務員としてはたらく勤労大学生、聖。 事務所には大堂の弟子にあたる議員達からの様々な相談が持ち込まれる 飼い猫の毛色が変わる謎だとか、ボランティアのおっちゃんのダイエット問題だとか…… 元不良の負けん気と機転で聖は事件を解決していく。 んんー。 最初に思ったのはいまいちリアリティの薄い作品だなあということでした。 まず主人公の設定的にも変わっている。って、まあそこはいいんだけど。 作中人物の関係性とか、口調とかむしろ謎の内容とかをみてて、いやーそれはちょっと無理じゃないかな。なんて思いながらページをくっていました。 聖が不良だったって設定もいまいち生かし切れていない感じ。 でもね。半分くらい読み終わったところで、ふとそういうのがわりとどうでもよく思えてきました。 なんかすごく大団円なんですよね。 一つ一つの事件の結末が、きっちり満足に終わるの。 しゃばけシリーズでも思ったのですが、この人はハッピーエンドをつくるのが上手い。 のはいいんですけど、どうしても一つだけ気になることがあるんですよね。 最後の方の話で(作品は連作形式の短編です)、主人公が携帯もつながらないような田舎に行くシーンがあるんですが、そこにノートパソコンを持って行って、大堂とメールでやりとりするシーンがあるんですよね。それもかなりリアルタイムに。 一体どうやってネットに繋いでいるのかなあと。。。 室内にいるシーンは電話線とかとにかく回線が引かれていれば問題ないんですけど、車の中でメールをする場面があるんですよ。 無線LANなんかあるわけないだろうし、エアーエッジとかだとしても携帯が通じないところだと無理じゃないのかなあと思って…… 謎です。
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