デミアン 作:ヘッセ 訳:高橋健二 新潮社(新潮文庫) 1951.12 超個人的評価:★★☆☆☆ ラテン語学校に通う10歳の少年シンクレール。 家族の愛と信じる神さまのいる温かい世界に住んでいた彼は、小さな嘘から不良につけ込まれ罪を重ねることになる。 そんな彼を助けてくれたのはずっと気になっていた不思議な級友の少年、デミアンだった。 彼によって別の暗い世界の淵へと誘われるシンクレール。 自己と神と世界と……確立できない世界のなかをシンクレールは彷徨うことになる。 難解でした。 文章も世界観も。でもだからこそ美しいのですが。 基本キリスト教なので、神学関係無知な私には読み取れないものもたくさんあったと思います。 とりあえず私の感想として…… シンクレールはデミアンが好き過ぎると思うよ。 物語はシンクレールの一人称で描かれているのですが…… デミアンきらきらしとる。 学校を卒業してデミアンと別れた彼は(って、別にそれが原因なワケじゃないですけどね)いろいろ自暴自棄になってみたり、恋いによってまっとうな生活に戻ったりしますが、なんとその相手に惚れた理由が「デミアンにちょっと似てたから」なんですね。 なにそれー!! そのうち相手のことはどうでもよくなってデミアンのことばっかり(正確には彼に与えられた言葉です。異教の神のこととか)考えてるし。 結局シンクレールの憧憬は最後はデミアンの母に行き着くわけですが。 うん。 書いてて思ったけどものすごいフィルターのかかった解釈ですね。 でも、この本を貸してくれた友人も同じようなことを言っていたので私はこのまま突き進もうと思います。 気力と興味のある方は是非デミアンのきらきら具合を確かめてみてください(笑)。いや、ほんと疲れるけど。
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