MOMENT 作:本多孝好 集英社文庫 2005.9 超個人的評価:★★★★-☆ 「死ぬ前に一つだけ願い事を叶えてくれる必殺仕事人がいる……」 病院に入院している、それも末期の患者だけに伝わる不思議な噂があった。 掃除夫のアルバイトをしている大学生の僕は、ある借りを返すために、この必殺仕事人になろうとする。 人々の願いは決してきれいものばかりではなくて、だけれどその醜さも儚さも、すべてが透明な物語。 淡々として、生きる意味さえよくわかっていない主人公と出てくるキャラクターたちの距離感がすばらしいです。 一見男のようだけど、きちんと女の子な幼なじみの森野。両親を早くに無くした彼女は家を次いで葬儀屋をしています。 他にも先輩清掃員の速水さん、主人公に願いを託す患者たち。 そんな出会いを通じて、主人公もほんの少しずつですが変わっていきます。 読んでいると一気にすーっと読めてしまうため、すぐに話を忘れます。 でもおかげで何回も読める!! お買い得?な本だと思います。 今回も感想を書くために相当読み返しました。 おかしいなあ、読んでからまだ一ヶ月たっていないのに。 単に私の頭が悪いからかも知れません。 でも、読むたび透明な気分になれるよい本だと思います。 本多さんの作品の中でもオススメです。
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