幻月奇談 作:椹野道流 イラスト:あかま日砂紀 講談社(ホワイトハート文庫) 1998.7 超個人的評価:★★★+☆☆ 奇談シリーズ第5巻。 今度の舞台は金沢です。 エージェント、早川からの依頼で、天本・敏生のコンビは一人の老婆と面会した。 彼女の望みはたった一人の肉親でもある、神隠しにあったという孫娘を捜すこと。 やさしげな老婆はしかし、なにやらまだ隠し事があるようで…… ともあれ捜査に乗り出した二人。 兼六園で天本が遭遇したのは、かつて愛した人にそっくりな一体の人形だった…… いよいよもって天本の過去のしがらみが出てくる本作。 なかなか明かされないその内容と、天本の煮え切らない態度にじりじりしながら読み進んだ記憶があります。 物語上仕方のないことだし、逆に上手いと思うんだけど読者的には気になるという微妙なジレンマ。 ところで天本と敏生の関係を早川が「ホームズにとってのワトソン。火村にとってのアリス」と評するくだりがあります。これを読んだ瞬間一生椹野さんについて行こうかと思いました。 果たして奇談シリーズと火村シリーズ(有栖川有栖:作)の共通認知度はどれくらいなんだろうと思わなくもないですが、私は大変嬉しかったわけです。 あ、そういえば今回龍村先生は瞬間異動でご登場ですね!! と一言だけつぶやいてみる。 龍村先生と小一郎のコンビもなかなかいいよね、なんてにやにやする今日この頃です。
|