重力ピエロ 作:伊坂幸太郎 新潮社(新潮社文庫) 2006.7 超個人的評価:★★★+☆☆ 泉水には春という名前の弟がいる。 遺伝子関係の会社で平凡にサラリーマンをしている兄とは違って、街のらくがき消しというちょっと変わった仕事をを生業としている。 幼い泉水と優しい父親と美しい母親。 平凡で幸せだった家庭を襲った悲劇のおかげで生まれたのが春だ。 しかし二人は間違いなく兄弟で、家族だった。 大人になった二人の付近で不可解な連続放火事件がおこる。 そして、その事件を予見するようなグラフィティーアートの存在。 二人はこの事件の捜索に乗り出すが…… 以前に二度ほど図書館で借りて読んだんですが、中古で見つけたんでついに買ってしまいました。 後悔はしません。 とっても伊坂氏らしい作品だと思う。 規格内な人がほとんどいない素敵な人物造形だとか。 泉水と春の一見無意味(時に意味があったり意味深なだけだったり)で非常に小粋な会話とか。 文章だけでも楽しめますが、途中で一瞬長いなーと思ってしまう瞬間もありました。 中盤がちょこっとね。 このラストは賛否別れるところだと思います。 道徳とか常識とかを考えると大分逸脱してる気がしますが、私はわりと好きです。
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