チーム・バチスタの栄光 上 作:海堂尊 宝島社(宝島社文庫) 2007.11 超個人的評価:★★★+☆☆ アメリカ帰りの天才外科医、桐生率いる『チーム・バチスタ』 今までに30例のバチスタ手術を行いそのすべてを成功させてきた奇跡のチームだ。 ところが、ここにきて3例連続して術中死が発生している。 これは事故かそれとも故意の殺人か…大学病院内の権力争いからはほど遠い万年講師の田口医師は病院長の以来でこのチームへの聞き取り調査を始めるが… 話題の本は基本的に少し時間をおいてから読み始めるひねくれ者な私ですが、この作品はいつもの感じより大分早く読んだ気がします。 というのも普段あまり流行りの本を読まない国文学思考な友人(好きな作家は川端康成)におもしろかったよと勧められたからです。 うん。なかなかおもしろかったです。一人称の文章もなめらかで読みやすい。 主人公の田口先生のキャラクターがいいです。 病院内の権力争いから程遠いところにいて、通称愚痴外来なんて呼ばれる外来を切り盛りしている。 しかもここ、半ば患者さんの愚痴を聞くのが仕事みたいなもんです。 一生懸命なんだけど、どこか世捨て人めいた飄々さを身につけた常識人。 それとある意味対比的な存在として描かれる桐生先生。 ちなみに私の読書メモには「このままこの二人に恋が生まれても私は一向に構わない」の文字が… なんかBLの冒頭部分を見ているような錯覚にかられました(ファンの皆様ごめんなさい)
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