精霊探偵 作:梶尾真治 新潮社 2005.9 超個人的評価:★★+☆☆☆ 事故で妻を失ってから他人の背後霊が見えるようになった主人公。 霊たちは彼に語りかけ色々なことを教えてくれる…… それをもとに相談ごとをいくつか解決しているうちに、たった一人どん底の生活を送る彼の元に人捜しの依頼が舞い込んできた。 断り切れず捜査を始める内に彼は元気を取り戻していく。 そんな矢先、身の回りに奇妙な出来事が頻発しだして…… 探偵というほど探偵はしていなかった気がします。 どん底の生活から少しずつ……ってのではなく、事件が来たとたんえらい立ち直りが早かったように思えてなりません。 いいのかー。もうちょっと落ち込んでなくて、なんて思わずつっこんでしまいました。 幸せも不幸せも全部が背後霊のせいって設定がちょっと……でした。 なんかそれじゃあ生きている人たちはどうしようもないじゃないですか。 途中から主人公の助手に名乗りでる10歳の女の子、小夢ちゃん。 かわいいのかうっとうしいのかすごく悩みながら読みました(なやむなよそんなもん) ものすごくしっかりした女の子です。このままだとむしろ逆に将来が心配です。 もう老成するしかないような気がします。カワイソウ。 中盤から話がものすごい勢いで方向転換します。ジュブナイル?SF?オカルト?? 読みやすくてさくさく読めたことは確かなんだけど、随所でツッコミを入れながら読み進みました。 そして最後のサプライズ……っていうか最大のツッコミどころはラストです。 完全ネタバレなので反転で。 ▼死んだと思った妻が生きていたってのもまあいろいろあれですね。 それはまあいいよ、もうそういう話だと思うよ。 あとどんな妖怪大戦争な展開もとりあえずはおいておくよ。 結局主人公が死んでいて双子の弟に取り憑いていたというオチもまあいいよ。 (シックスセンスみたいだなーと思いました) だけど、妻が弟を主人公と勘違いした弟を背後霊としてあやつって自分として生きてくってのはどうなの?! ねえ、どうなの??(思わず2回言うよ) それはダメだろうと思うのですが。 弟くんの人格は完全無視。エゴイズム全開。 それってハッピーエンドか?そう言ってしまっていいの??ダメでしょう。 帯のあおり文句はこうです。 涙腺ゆるむサプライズまで一直線、今度は「泣ける」だけじゃない! 確かに、だけじゃなかた!! いや別に泣いてないけど…… いろんなツッコミがあふれ出しすぎて大混乱してしまいましたよ。 いいのかなあ…… 気になるのでこれからいろんな人の書評ブログを見て考えてこようと思います。
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