砂漠の花 作:金蓮花 イラスト:珠黎皐夕 集英社(コバルト文庫) 2003.1 超個人的評価:★★★+☆☆ カルナサリの人々は人生で一度だけ神託を授かりそれを護符にして生きる。 しかし、ただ国王だけは人生で二度の神託を受け国を統治した。 女王となったまだ幼さの残る少女、カリュンフェイは戴冠の日に正反対の二つの予言を受ける。 曰く「和をもって統治する」そして「血によって支配する」 彼女の前には二つの道が示されている。 そして彼女は彼女の運命を変える青年と出会ってしまった…… 久しぶりに金蓮花さんの小説です。 これぞ王道!!という感じの良い少女系のラノベです。 個人的に都合のいいだけの恋愛モノが苦手です。 なんだかよくわからないうちにカッコイイ男が出てきて、自分勝手だったりなんだでイマイチどこが良いのかわからない主人公と安易にくっついたりするお話は苦手。 だからか、恋愛の絡んだ少女小説は敬遠しがちな今日この頃。 けどね、金さんとか須賀しのぶさんなんかの小説はそういうことがないから安心して読めます。 ただしこの場合は主人公にはこれでもかというくらいの苦難が待ちかまえていたりするので注意が必要(苦笑) それに負けない強い女の子はかっこいいよね。 この作品の主人公、カリュンもそんな女の子。 敵国(の疑いがある)シルヴァスの公子で、王宮へと謁見に来た青年シリスと親しくなる彼女。 謁見をすっぽかして木登りをしていたカリュンは、女王と名乗ることができず、自分は女王付きの侍女なのだ嘘をつきます。 真実を知らぬまま次第に惹かれあっていく二人。 そして、昔からカリュンに思いをよせている美しい従兄弟のレンソールの存在。 運命の歯車は次第に過酷な方向へと動き出します。 カリュン・シリス・レンソールの三角関係が切なかった。 報われない想いは大好物です。 ここでカリュンが二人の間で揺れ動いたりしたら正直がっかりですがそんなことはありませんでした。よかった。 レンソールさんみたいな幸薄そうなお兄さんは好きです。 シリーズものということで続きが楽しみです。 そして続きが気になる!! とりあえず彼らにはみんな幸せになってほしいな。
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