少年たちの密室 作:古処誠二 講談社(講談社ノベルズ) 2000.9 超個人的評価:★★★☆☆ 東海地震によって崩れたマンションの地下駐車場に高校生6人と担任教師が閉じこめられた。 そんな中、一人の生徒が瓦礫をあたまに受けて死亡する。 これは事故か、それとも殺人事件なのか……? 閉ざされた光のない空間で起こった事件。 闇の中に一筋の結末が浮かび上がる…… 出版社もレーベルも内容も間違いなくミステリなのに、私的な読後感はミステリ??という感じでした。 それよりは世の中や教育とか学校の不条理さの方が頭に残りました。 重たい(これって方言?)です。 結末がわかっても決して明るい気分にはなれません。 ストーリーラインとしては典型的な「犯人さがし」「誰が彼を殺したのか」なのですが、そこはあまり問題ではないように見えてしまった。 プロセスの一部というかさ。 世の中の暗い部分を写し取っているという部分では興味深く読み進めました。 実際犯人も気になったし。 全体の時間軸と視点の基礎になる語り手が少々腑に落ちないところがありました。 冒頭は宮下くんという、作中の基本になる時間では亡くなっている少年の語りが出てきます。 これって必要なのかなあ。 一歩間違うとネタバレになるような気がしないでもないですが。 もう後半は先生のダメっぷりにイライライライラしながら読みました。 この人もう本当にどうしようもない人過ぎるよ。 世の中ってほんとに不条理だよね…… そんなことをつぶやきつつ終了しておきます。
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