Stand Alone 作:駒崎優 イラスト:槙えびし 講談社(ホワイトハート文庫) 2007.5 超個人的評価:★★★+☆☆ この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません。 C.J.ウォーカーの名前で個展を開いた新鋭イラストレーターのクリス。 個展も三日目、多くの絵に買い手がつく中、非売品の絵の前で一人の男が立ちつくしていた。 彼曰く、この絵のモデルは彼自身だと…… 彼、ラフィはギャラリーのオーナに自分はクリスの友人だと告げる。 それはクリスとラフィ、かつて幼い頃穏やかな日々を過ごした二人の苦い再会だった…… 帯曰く、作者駒崎さんの新境地。んでBL。 あれ?新境地?? 新境地……か、うん。 (思わず他社の某歓楽街モノ 医者×男娼を手に取る……) たしかに、告白らしきものはあってもそういう直接的なシーンははい。 ごめん、私はすっかり駒崎さんはもうすでにそっちの世界の人だと思っていたよ。 作者の後書きによるとこれはボーイズラブではなく翻訳物のゲイノベルに近いとか。 まあ、確かにそういうかんじはします(とはいえ翻訳物のゲイノベル自体を読んだことはないのだけれど) ちょこっと内容の方を解説すると(上のあらすじがあまりに微妙なできなので……) ラフィとクリスは幼い頃近くに住んでいた幼馴染み。 クリスにとって、6歳年下のラフィはかわいらしい弟のような存在だった。 仲むつまじく兄弟のように育つ二人だったが、その関係はラフィの伯父(マフィア。少年好き)がクリスに暴行を加えたことによって崩壊する…… 物語の主題は、ラフィがクリスのもとを訪れ、かつて自分が伯父に襲われたということを証言することを依頼するところから始まります。 しかしそれはクリスにとって根深いトラウマであり、とうてい安請け合いできるたぐいのことではありません。 そして長い間ラフィの中ではぐくまれてきたクリスへの想いの行方は。 ぼーいずらぶというかわいらしい響きのお話ではなかったです。 どちらかというと灰色トーン? しっとりとした雰囲気です。 表紙のイラストから勝手にバッドエンドを想像してひやひやしながら読みましたが、そんなことはありませんでした。 よかった。
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