ヴェアヴォルフ〜オルデンベルグ探偵事務所

作:九条菜月
イラスト:伊藤明十
中央公論新社(Cノベルズ)
2006.7
超個人的評価:★★★☆☆ 

人と人ならざる者たちがひしめきながら混在している20世紀初頭のベルリン。
オルデンベルグ探偵事務所は表向きは普通の探偵事務所だが、裏の顔は人族と彼らの共存を目指す自助組織だ。
人間ではない探偵の一人、ジークは長い任務から帰還した途端、人狼の子どもエルの世話を押しつけられる。
新しい任務は列車事故、殺人事件、さらにはエルまで巻き込み広がっていく……

全体的にサスペンス仕立て?でした。
謎解きはないけれど、謎で見せていくみたいな。
ストーリー的にはどこかでみたような……っていうカンジを抜け出せませんでした。
人外との共存のために尽力する探偵とか。
敵の目的とか。
キャラクター設定とか。
うーん。
あと、主人公が結構クール系兄ちゃんなのに一人称で物語が進んでいくのに、個人的にすごく違和感を感じました。
こういう話は三人称の方が進めやすい気がする。まあ、得意不得意があると思うので何とも言えませんが。

ただ、主人公になつく人狼の子どもエルがもう文句なしにカワイイ。
主人公をお父さんと呼びたくなります。いいパパっぷりです。

人ならざる者っていうのに、狼男、吸血鬼、そのほか妖精まで出てきて(ケルピーとかシルキーとかまで)、個人的にそこは楽しかったです。

ものすごい続ける気満々な設定だった気がします。続き、出るんでしょうか。

ヴェアヴォルフ‐人狼―オルデンベルク探偵事務所録 (C・NOVELSファンタジア)ヴェアヴォルフ‐人狼―オルデンベルク探偵事務所録 (C・NOVELSファンタジア)

中央公論新社 2006-07
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