絡新婦の理 作:京極夏彦 講談社(講談社ノベルズ) 1996.11 超個人的評価:★★★☆☆ 世間を騒がせている殺人鬼、目潰し魔をめぐる事件と、閉鎖された女学園で起こった殺人事件に自殺…… 関係なかった事件は次々といつものメンバーを巻き込みその様相を変えていく。 果たしてこの壮絶な事件の黒幕は誰なのか? そして、その目的は?? いつも以上に先の読めない京極ワールド。 今までに出てきた主要キャラ総出演で送る京極堂シリーズ第5段。 何が凄いって京極堂シリーズには使い捨てのキャラクターがほとんどいないことです。 そろそろ覚えきれなくなってきました(名前を覚えるのが超苦手) しかも一冊一冊読む間に大分間が空いていたりするしね。 そのうち文庫でそろえて一気読みをしたいなあと思いますが。(果てない夢) 私の中で今川と伊佐間は途中までほぼごっちゃでよくわからないことになっていたよ。 今回の事件の一端は女子校でおこります。 京極氏は女学生好きなのかな(すごく誤解のある書き方?)、なんてことをぼんやり考えたり。 前の魍魎の匣の時も思ったのですが、この年頃の女の子の持つアンバランスな雰囲気だったり、女でもあり少女でもある危うさみたいなものがすごく丁寧に書き込まれているように思うのですよ。 物語の最初と最後はループ構造になっています。 結構はまっていて、やられたというかんじです。 思わせぶりバンザイ。 ……それにしても、京極堂がかっこいいよ。 そしてこれはこの巻に限らずいつものことなんですが…… 榎さんが出てくるのを待ちわびてしまいます。 いやいや、別に私が榎木津ファンだからじゃありませんよ。 彼が出てこないとなかなか事件が進まなくてちょっと疲れるのです。 なにせあのボリュームだしね。 ちなみに京極堂でもかもいませんが。 木場シュウとか関口だとなかなか話が進まないんですよね。 その関口は今回ものすごくちょこっとしかでてきません。 もう最後まで出てこないかと思いましたよ…… 出番があってよかったね関口。 今回の巻はなんだかいつも以上に難解だった気がします。 さらっと1回読んだだけなので今でもイマイチ事件の全貌が理解できていない(泣) 蜘蛛の意図を理解するためにも、そのうちじっくり読み直そうと思います。
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