ポストガール 作:増子二郎 イラスト:GASHIN メディアワークス(電撃文庫) 2002.6 超個人的評価:★★★★+☆ 自宅の本棚整理のため再読中です。 その世界ではかつて大きな戦争があった。 人間は減り文明は疲弊し通信システムは破壊された。 そんな中、手紙の配達を目的として登場したのがメルクリウス。 伝令の神の名を借りた人型自律機械。 人に極めてよく似た外観と中身(自意識システム)を持ち、コミュニケーションに飢えたひとたちに手紙を届けるのが仕事としている。 この物語の主人公、MMF108−41。人間向けの通称はシルキー。少女の形をかたどったメリクリウスだ。 人々とのふれあいの中で、いつの間にか彼女の中にはバグが住み着いていた。 人間の感情をまねるだけだった自意識システムは、いつの間にかそれ以上の働きをするようになっていた。 まるで、彼女が本当に心を持っているかのように…… シルキーと、彼女に出会う人たちのやさしい連作短編集。 あらためて読むといいなあ(しんみり) 基本的に人外好き(妖怪幽霊ロボット含む)の私ですが、その中でも人外の自分は人間じゃないけれど……っていう葛藤によわいんですよね(と自己分析してみる) 人に近づいていくことに対するシルキーのとまどいとか、ちょっとずつ「人間らしく」なっていく成長の過程とかがとっても自然で、読んでいてひきこまれてしまいます。 また彼女の出会う人たちがいいんですよ。 ちょっと優しくて、悲しくて。 戦争後の世界という舞台設定もなかなか善いです。 オススメのシリーズです。
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