翼ある闇〜メルカトル鮎最後の事件 作:麻耶雄嵩 講談社(講談社ノベルズ) 1993.6 超個人的評価:★+☆☆☆☆ 事件の舞台は京都近郊「蒼鴉城(そうあじょう)」と呼ばれる館。 小説家の私と探偵が訪れた時、惨劇はすでに始まっていた。 首なし死体、密室、よみがえる死者、見立て殺人、そして突如現れる二人目の探偵。 果たして、物語はどこに終着するのだろうか。 全体的にトンデモ本というのが個人的な感想です。 初めのうちは探偵と小説家の掛け合いということで、ホームズっぽいなーと思いながら読んでいました。 が、だんだんこの「ぽい」だけのような気がしてきて…… 雰囲気はあるんだけど、なんかすごく地に足が着かない感覚なんです。 文章もそうだし、話の流れ的にもそうですし…… 詩的っていう言葉の意味を勘違いしているような感じというか。うーん。 また二人の口調が似ていて、どっちがしゃべっているっていう地の文の説明がないからところどころ混乱してしまいました。 この地に足が着かない感覚、後半になるとどんどんパワーアップしていきます。 主にキャラクターやストーリーについてですが。 半分くらい読んだあたりで私はついて行けなくなり、その後は完全な流し読みでした。 なんだろう、あまり好みではない芝居を見ているような感覚でした。 ついていけていなくてもどんどん先に進んでいってしまう。 今回、なかなかにごめんなさいな読者でしたわたし。
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