私が語りはじめた彼は 作:三浦しをん 新潮社 2004.5 超個人的評価:★★★-☆☆ 一人の老大学教授と、彼をめぐる人たちの「愛」をめぐる連作短編集。 物語の中にあって、確かに中心人物なのに主人公になることがない老教授が印象的でした。 決してかっこいいわけでもない、それでもなぜか女たちを引き寄せてしまう不思議な魅力をもった人。 それを外堀から埋めていくように描いていく本作。 確かに、上手いと思いました。 なんていうか三浦しをんはすごいと思います。 作風の幅が広いというかなんというか。 BLスレスレの話を書くかと思えば、こういう大人な文学も書ける。 あんまり内容には関係ありませんが、この本の帯には金原瑞人さんのコメントが載っています。 まあなんというかものすごく褒めているワケですが…… そういうのってどうなんだろうなーと思ってしまいます。 なんか先に人に褒められる(しかもべた褒めされる)と引いてしまうあまのじゃくな私です。
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