女王の百年密室 作:森博嗣 幻冬舎(幻冬舎ノベルズ) 2001.12 超個人的評価:★★★+☆☆ フリーライターのミチルは相棒のウォーカロン、ロイディと共に「女王」の治めるルナティック・シティを訪れる。 そこに暮らすのは穏やかで優しい人々。そしてこの楽園には死さえも存在しないという…… しかしそんな穏やかな時間は長くは続かなかった。 閉鎖された世界で起こる完全なる密室殺人。 推理を開始するミチルたちだったが、楽園の住人たちは被害者の死すらも認識しない。 誰が彼を殺したのか?一体何のために? 再読です。 森さんの本を読むのは久しぶりかもしれません。 高校生くらいの時にすっごいはまって、一通り読んだんですが……その頃あまりにも多読しすぎていたためあんまり覚えてません。 最近映画化で話題の「スカイ・クロラ」も読んでなんとなく「う〜ん」って思った記憶しかないダメ具合。 ただこの本は内容もそうですが装丁が好きだった。 スペースと費用の関係で今回手に取ったのはノベルズですが、ハードカバー版の方が好みです。 続きが出ているのは知っていたんですが、なんとなく読まずにいるうちにマイ森ブームが去り…… 今回続編を読むために購入。 舞台はたぶん結構な未来。 ちょこっと複雑な過去を持つサエバミチルは、ウォーカロン(たぶん人型ロボという認識でいいんだと思う)のロイディを相棒に 世界を駆け回るフリーライター。 この二人?の関係がすごく好きなのです。 あくまでロボであるロイディを人間のように扱おうとするミチルと、それに答えるように妙に人間らしくなっていくロイディ。 最初と最後の彼はもう別人のようだ。 ミチルのロイディへの依存っぷりが楽しい。 それとあわせてミチルの複雑な過去と現状がまた、ね。 たぶん分類するんならミステリ、になるのかな。 要素的にはSFの方が近いかな。 推理してたどり着ける結末かは微妙なライン? 推理系でも最近はいろんな系統がありますからね。えーと西尾氏とか、清流院さんとかさ。 ミステリの定義ってなんだろうなんて、ミステリファンに怒られそうなことをぼんやり考える今日この頃です。
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