きつねのはなし 作:森見登美彦 新潮社 2006.10 超個人的評価:★★★-☆☆ ホラー風味の連作短編集。 収録作品は 「きつねのはなし」 芳蓮堂という骨董屋でアルバイトをする主人公。 店主の使いで行った先で出逢った不気味な男の正体は…… 「果実の中の龍」 大学生の私が親しくしていた変わり者の先輩と、彼と親しい女性との失われた時間の話。 「魔」 バイトで近くの高校生相手に家庭教師をしていた主人公。 やがて彼のまわりで不可思議な傷害事件が起こり始めて…… 「水神」 亡くなった祖父を送るために集まった父の兄弟達。 祖父の残したという謎の骨董品とそれにまつわる思い出話の末に待つものは。 物語はゆるやかに繋がっている感じなのですが、それにはちょっとした矛盾があったり、語られていない部分があったりして、そういう部分は想像に頼って読むしかありません。 なんとなく不思議。なんとなく不気味かなあという印象でした。 怪しいケモノとか、怪しい男とか怪しい骨董屋とか…… 雰囲気はわかったけどそれだけだったかも。 いちばん気になったのは語り口とテンションですね。。 すべての作品で主人公は違うのに、まったく同じように物語は語られます。 もうちょっとアップダウンがあった方が私は好きです。
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