マルタ・サギーは探偵ですか?5 探偵の堕天 作:野梨原花南 イラスト:すみ兵 富士見書房(富士見ミステリー文庫) 2007.7 超個人的評価:★★★★☆ 異世界オスタスでの出来事から7年――丸太は25歳になった。 もう一度オスタスへ行く方法を探すため調査事務所で働く丸太だったが、心は未だあの日から進めずにいる。 そんな時、調査事務所に一人の少女の捜索依頼が舞い込んでくる。そして、丸太には彼女の名前に見覚えがあった。それはかつて彼がカード戦争にエントリーした時に出会った少女の名前と同じで… 果たして丸太は過ぎ去ってしまった時間の中に戻れるのか… あの超気になるラストから開いた次巻。 一文目が『鷺井丸太は二十五歳になった』って…えーっ?! 冗談抜きに7年後です。丸太は25歳でメガネです(それはあんまり関係ない) 舞台も異世界オスタスではなくて日本の蓑崎。丸太は一応ちゃんと仕事をしています。 もう驚きっぱなしの踊らされっぱなしでした。野梨原さんったら… 個人的にこの巻はかなり好きです。なんだろう、丸太の周りに漂う終わってしまった感とそれを必死に取り戻そうとする彼が切なくて良いです。 調査事務所の所長の森川も事務員の早紀ちゃんも、いつの間にか丸太の友人みたくなってる才屋もみんな愛しい。 特に早紀ちゃんがね、ズレててかわいいの。 しっかりものなんだけど、丸太が好きって時点ですでに相当変わっています。 丸太と才屋の友情?にも注目です。 大きな物語の流れの中では異色になるであろう5巻。大変楽しく読み終わりました。
|