放浪者たち 夢破れし都 作:荻野目悠樹 イラスト:末弥純 徳間書店(徳間エッジノベルズ) 2005.8 超個人的評価:★★★+☆☆ ゲシュタポ占領下のフランス、パリ。 脛に傷を持つ身で、汚い仕事を請け負うことで生計を立てている日本人の氷胴恵一郎。 とびっきりの美女からの依頼を受けて組まされた、腐れ縁の相棒ヴィクトルとは相変わらず気が合いそうにもない。 嫌な予感を感じつつ、待ち合わせの宿屋で二人を待っていたのは美女の父親ではなくSSの制服を着た死体だった。 姿の見えない陰謀に巻き込まれゲシュタポに追われることになる二人だが…… 本気で罵り合っている二人組!!という個人的に非常にツボな主人公ズでした。 気が強くて口が悪いなんだかやっかいな過去を持っていそうなケイ(恵一郎)と、顔と銃の腕以外に取り柄が無く働かないドイツ貴族のヴィクトルと。 まったくもって信頼関係がないに等しい二人ですが、その実結構良いコンビだったりするところがまた。 久しぶりに荻野目さんの本を読んだ気がするけど、テンポ良く楽しめました。 ただし以前に読んだのが遙か記憶の彼方すぎて、こういう作風の方だったかしら?とクビを傾げながら読みました。 そのうちまた違う本も読み返してみよう。 あ、そうそう。ヒトクセどころの騒ぎではない仲介屋の親子もナイスキャラでした。 特に娘のクレマンティーヌさん。 口が悪いとか性格が悪いとかそういうレベルを超越している彼女にはツンドラ(デレのないツンデレ?)の呼称がふさわしい。 こういうお姉さんは嫌いじゃないです。
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