冒険者たち〜ガンバと15ひきの仲間 作・:斎藤惇夫 イラスト:藪内正幸 岩波書店(岩波少年文庫) 1990.7 超個人的評価:★★★★-☆ 知人がこの作品を戯曲化してお芝居をやることになりまして。 なんだか聞いたことあるような……と思って手に取ってみたら案の定、昔(中学生の頃)読んだことがある本でした。 町ネズミのガンバは友人のマンプクに誘われて、海を見るため港ネズミたちの集会に行くことにした。 小さな冒険をしつつも港にたどり着き、宴会に参加するガンバたち。そこに集まった愉快な仲間たちと歌い踊り楽しい時を過ごす。 宴も終わり、遙かな海に心ひかれながら町に帰ろうとしたガンバたちの元に、一匹の酷く傷ついたネズミがやってくる。 彼の名前は忠太。忠太はイタチのノロイ一族に支配された島から助けを求めるため、たった一人海を渡ってやってきたのだ。 ガンバは忠太の家族を助けに行こうとみんなに呼びかけるが…… 戯曲化する……って聞いて読んだからよけいにかもしれませんが、この本すごくお芝居的な気がしました。 ガンバが旅立ちを決意するところや、戦いの所の仲間たちとの感情のやりとり。そういうのが、お芝居に向いてると思う。 仲間たちのキャラ立ちもいいし。やりやすいんじゃないかな。 そして何より名前がわかりやすいのがすばらしい。 主人公のガンバ、その友達でくいしんぼうのマンプク。頭はいいけどちょっといやなヤツのガクシャ。足の速さが自慢のイダテンetc。覚えやすくて助かります。 名前といえば私的に一人大分後まで?ってなっていたネズミがいます。 その名はバレット。ダンスの得意なネズミです。 ・ ・ ・ バレエ。英語でいうとballet もっと早く気づけ自分!! そんなセツナイ気分になりつつ。 物語はガンバのリーダーとしての成長物語でもあります。 が、あえて難癖をつけるなら最初の方でガンバがリーダーに使命される理由が弱い気がする。 屈強な船乗りネズミや港ネズミ中心の仲間たちの中で、「言い出しっぺだから」って理由だけでリーダー選んじゃっていいのかなあ。 後半のがんばりでしっかりと解決してるっちゃしてるんですけどね。 ▼(反転)仲間たちはみんなヨイショを使命して、ヨイショだけがガンバがいいっていってみんなを説得したりすると、私が激しく楽しいんだけど……どうでしょう?(そんなこと聞かれても_笑)▲ ガンバたちと強大なノロイ一族の戦いに、ちょっと童心に返ってドキドキしました。
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