桜行道 作:佐島ユウヤ イラスト:佐島ユウヤ 講談社X文庫(ホワイトハート) 2004.2 超個人的評価:★★★+☆☆ あやかしの姿を見ることができる不思議な雰囲気を持った少年、藤也はひょんなことから押しつけられた迷子の天狗周平を山に届けるために旅をしている。勝手気ままにいなくなったり現れたりする周平に振り回される藤也。 彼らの出会う景色や人は不思議に懐かしい雰囲気で満ちていて…… なんだかこの作者の文章が好きです。 とつとつとしたカンジで、でも情景描写とか、会話のテンポとかも自然で。 登場人物(おもに藤也)の口調がときどき変わった時(素が出る?)に地の文の説明がないので、時々誰の台詞だかわからなくなるのがちょっと読みずらくはあるんですが。 つかず離れずなカンジの藤也と周平の関係も好きです。 ふといなくなって、でも気がつくと隣にいて、みたいな。 そういえばイラストも作者が書いてるんですよね。 この人の絵もかなり好きです。 いいなあ。両方かけるって。 ところで余談ですがこの本、帯のキャッチコピーが「ああ、あなたと一緒に生きたかった…。」でした。 最初本屋で見かけたとき、表紙のイラストから全然違うもっとBLっぽい話を想像してしまいました。 えー、人間と天狗が恋をするんだけど、種族の違いから添い遂げることができない悲恋モノ……みたいな。 だって、ホワイトハートだし…… まあ、おもしろかったから結果オーライですけどね。 あなおそろしや脳内妄想。
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