一瞬の風になれ3 第三部ードン 作:佐藤多佳子 講談社 2006.10 超個人的評価:★★★★★ ついに高校3年生になった新二。 前巻のショックからも立ち直り、オフシーズンのトレーニングに励む毎日だ。 リレーメンバーに問題児が加わったり、連にライバル宣言をされてしまったり、気になる女の子の谷口といい感じだったり……息つく暇もない。 そして大会のシーズンがやってくる。 トレーニングの成果も出て、新二は順調に大会をクリアしていく。 夢のインターハイに出場するために。 強力すぎるライバル達との勝負、そして連とのかけっこの結末は…… 終わっちゃった……というのが読み終わった時の最初の感想でした。 残りのページが減ってゆくにしたがってさみしい気持ちになりました。 おもしろい本を読んでいるときはいつもそうなんですが。 とにかくいきいきしたお話でした。 登場人物もストーリーも。 リアルっていうのとはちょっと違うんだけど。なんだろう。 存在を感じられるというか、上手く言えませんが。 試合の時のドキドキ感は最高です。 成功→失敗→努力→成功みたいな、一種青春モノのパターンみたいなものには当てはまるかもしれません。 でも、そういう理屈屁理屈あれこれは考えずに、まっすぐに読んだ方が絶対楽しい気がする。 頭使わないで読んでください。 ええと、ハートで(くさっ) 物語の中に恋愛的要素も出てきます。青春だし。 新二くんのお相手は、同じ陸上部で長距離をやっている(途中で短距離から転向)谷口さん。 元々は他校の仙波(この地区の短距離エース)にあこがれというか片思いみたいな淡い気持ちを持っていたっていう子。 もともと新二は気になっていて、でもライバルは自分が陸上では絶対にかなわない仙波で……というところからスタートするわけです。 ちなみに部内は顧問のみっちゃんによって「恋愛禁止」です。 二人がちょーっとずつ近づいていくのがとってもいいです。初々しいぞお前ら!! でも物語の中心はあくまで陸上。 二人も恋人同士になるわけではありません。 物語の中でのこの距離のとりかたがすごい好きでした。 ものすごい脈絡のない感想になってしまいました。 読む本がないわーって人とか、本屋とかで目撃して気になってるっていう方。 機会があったらとりあえず一巻を手に取ってみてください。 このシリーズ、今年一番のオススメですから!!
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