デブになってしまった男の話

作:鈴木剛介
求龍道
2006.9
超個人的評価:★☆☆☆☆

大学生のころからモテモテで、それこそ女はとっかえひっかえ状態だった主人公の大介。
そんなとき出会った一人の女、直美。決してもてるタイプでもなく、壁を作り自分に揺るがない直美に彼は惹かれていく。
少しずつ近づいていく二人だったが、ある日大介は直美に別れを告げられる。
そこからはタガが外れたように女漁りに溺れていく大介。
そんな彼はある日、たちの悪い女にひっかかり心中未遂に巻き込まれ大けがを負う。
病院で療養中の間、することもなく過食をしている内に体重101キロのデブになってしまい……

なんていうか、この主人公すごく嫌なヤツだと思いました。
モテていたころもうっとうしければ、太ってからもうっとうしい。

帯によるとコンプレックスと戦いながら生きていくすべての男女に贈る、切なさと元気をくれる恋愛小説らしい。

私にはいらだちしか残りませんでした。残念。

ぶっちゃけ私はデブです。ちいさいころから丸くて、現在に至る筋金入りの(とか自分で言ってみる)
共感できる部分が皆無ではありませんでしたが、でもそれよりも反感の方が大きい。
だって、この男ダメだよ。
だいたい直美に惹かれたのだって自分になびかなかったからなわけでして。
そこから「恋」になったって言われてもいまいち説得力がない。

都合のいいラストも冷めた目で見つめてしまいました。
ってか、こいつの人生が狂ったのは恋のせいじゃなくて、自分のせいだよ。自業自得だ。

この作者は本当に太ったことがないんだろうなあと思います。

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鈴木 剛介

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