QED 百人一首の呪 作:高田祟史 講談社(講談社文庫) 2002.10 超個人的評価:★+☆☆☆☆ 百人一首のカルタコレクターとしても有名な会社社長、真榊大陸が殺された。 その手にたった一枚の百人一首の札を握りしめて…… 関係者にはみなアリバイがあり、事件は不可能犯罪のように思われた。 たが、博学な薬剤師桑原祟が事件に興味を持った時、百人一首に込められた不可思議な謎がその姿を現しはじめる…… 物語は崇と同業でかつての同窓生、奈々の視点で語られます。 この奈々ちゃんにちょっとイラっとしてしまったのです。 物語の構造や扱っている題材から説明され役が必要なのはわかるのです。そしてそれがカワイイ女の子であるのは構わない。 けど……事件や崇たちの捜査に巻き込まれる理由がいまいち薄い気がするのですよ。 関係性も??で、うっかりするとただのおばかさんに見えてしまう。 感情の流れにも一貫性が感じられなくて、物語の進行上の都合のいい子に思えました。 百人一首の謎についても、短歌好きの私は途中まで「へーえ」って感心しながら読んでいました。 が、ふと「っていうか、こじつけ?」と思った瞬間に私の負けが決まった気がします。 後半のどんどん進んでいく百人一首の謎の解明も、真榊さんちの事件の解決からも意識が離れて、もうざ――っと一気に流し読みになってしまいました。 自分の集中力のなさが残念です。 割と好きな題材の百人一首でこれだったので、続編の色々を読むのはちと苦しいかな。 そんなことを呟きながら終了です。
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