ぼくは勉強ができない 作:山田詠美 新潮社(新潮文庫) 1996.3 超個人的評価:★★★-☆☆ 17歳の男子高生、時田秀美。 彼は、勉強ができない。 熱血しない程度にサッカーが好きで、女性にもてる。 そんな彼はショットバーで働く年上の恋人、桃子さんと幸せな関係を築いている。 ちょっと変わった母と祖父は理解があるけれど、秀美はいつだって世間とか学校とかには微妙な居心地の悪さを感じていた。 勉強?大人への服従?世間との調和? ほんとうに大切なことを探す、青春小説。 山田詠美さんの作品をきちんと読んだのは初めてです。 大学(文学部系)の授業ではしょっちゅう名前が上げられていたんだけど、愛とかセックスとか素敵な感じの言葉が踊る小説には手を出しかねておりました。 とりあえず手を出しやすいとこからいっとくかと手に取った一冊。 同時収録の番外編「眠れる分度器」は高校の時に読みました。問題集で。 そんなある意味思い出の作品でもあるわけですが…… なんとなく読みはじめて思ったのは、こんな男子高生は嫌だなあ、と。 勉強が出来なくて、自分の納得のいかないこと(不条理な大人とか)にまっすぐ反抗してくれる秀美は確かにかっこいいんだけれども。その価値観の向こうになんとなく作者(=大人の女性)が透けて見えるような気がしてしまいました。 うがった見方をしているような気がしないでもないんですけどね。 彼の女の人に対する価値観とかが特にそうかもしれません。 出てくる女の人たちはことごとくかっこいいんですけどね。 だからこそその中にいる秀美が余計にそんな風に見えるのかも。 個人的に好きなキャラは 年甲斐もなく(褒め言葉)まだ女性が大好きで、勝手に孫の服を着ていってしまうじいちゃんです。 生涯現役!!(ちょっと違う?)
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